平たく言うと父親と娘の近親相姦の話。
娘が産まれてからは無意識に親目線で本を読んでいた私
(八日目の蝉を読んで気付いた)
嫌悪感でぞわぞわしてもおかしくはない内容なのにそれは無く
読後はむしろ空っぽな気持ちになりました。
この本は物語が現在から過去へと逆行していくという珍しい手法で書かれていて
一番直視し難い近親相姦という事実が最初に既にそこにある。
そこがスタート地点なので、そこに至る過程を追いかける事に比べると
物語と自分の間に隔たりが広がらずに、割にすんなり受け入れられたのかも。
そして知らず知らずの内にこれはこれでありなんじゃない。と考える自分に気付く。
舞台は東京から2人が暮らした北海道は紋別へと遡るのですが
北の海の粘着質な感じ、南方の海の持つ気楽さとか軽率さのかけらもない、暗くて濁った、どろどろした海が読んでると体にまとわりつく不快感が今でも蘇ります。
人がどうして読書するのかは知りませんが、自己啓発とか、感動したいとか、目的をもった読書には全く適しません。
でも、時に人生って何だろうとか考えちゃうあなたにはおすすめです。
あ、あと結婚に迷ってる時に読むと吹っ切れるかも。
No comments:
Post a Comment