Saturday, July 20, 2013

アメリカ出産体験記<後編>

アメリカ出産体験記<前編>はこちらから。



モルヒネ投与後はやや落ち着いて、いくばくかの睡眠をとる。

記憶力抜群の夫によると、子宮口を開く薬挿入からおよそ10時間後、午後7時頃から陣痛促進剤を点滴にて開始。
この時点で既に陣痛開始から10時間が経過。促進剤により、痛みは一気に加速。
鈍行電車から新幹線にグレードアップしたような感じ。
もうこの辺りの記憶は曖昧なのですが、ひたすら夫とヒッヒッフーの呼吸、横になって膝を抱えてめそめそ泣き(絶叫はしなかったらしい、ほッ)、氷水をちびちびやりながらエピドラル使用可能な子宮口3㌢に到達するのを待つ。

そしていよいよ子宮口が3㌢開いた夜中12時頃に麻酔医によってエピドラルの投与。
私は麻酔って注射をして終わりなのかと思っていたのですが、実際は脊髄に細い管を入れて、点滴の要領で量も調節できるようになっている優れもの。
この管挿入が痛い!とどこかで聞いたような、でも実際は陣痛の痛みの方が勝っていて、痛くもかゆくもなかったです。
看護士さんがずっと手を握ってくれてたしね。←何て優しいお方

さて、私には友人にも聞きづらかった(聞いたけど)出産の疑問が。コホン
それはずばり、いきんでる時に大⃝が出ちゃうんじゃ!?
私の場合は看護士さんが
「麻酔前の浣腸はオプショナルだけど、どうする?」
とまるで旅行会社でのパッケージ旅行の打ち合わせ並のカジュアルさで聞いてくださったので、
「あ、じゃそうします」
とこちらもカジュアルに選択できましたが。
ちなみに同じ病院で出産した友人はこのオプション提示されなかったそう。ふむ。

麻酔前後はまさに地獄と極楽。
今迄の痛みが嘘のよう。何て楽!普通に会話が成り立つって素晴らしい〜とか言ってるうちに即効爆睡。

そして午前6時半頃
「子宮口全開になったから、いきますよ!」
で起こされる。

遂に、遂にここまできたか、との感慨に浸る暇もなく
これまでずっと担当してくれていた看護士さんからの
「私シフト7時までだから、それまでに産んでちょうだいよ!せっかくだから、赤ちゃん見て帰りたいから!」
と応援なのかプレッシャーなのか良くわかんない激励のお言葉に
俄然やる気の私、よっしゃー来い!

下半身が完全に麻痺状態なので、どうやって”いきむ”のか分からず、きょとんとしていると「基本は大⃝をする時の気持ちで、でも意識はそのちょっと前方に」との事。
要はイメージだな。って事で、これはやってみるしかない。
モニターで陣痛を確認している先生が「はい、今!」と号令をかけてくれてから10秒間、息を止めていきむ。
それを数回繰り返した時点でベビの頭が出、小さな泣き声が聞こえました。
それからはおそらく2、3回のプッシュで看護士さんのご期待どおり、彼女のシフト終了5分前にめでたく雨音誕生!

初めて出会った娘を抱いた時は何故か笑いが止まりませんでした。
嬉しくて、愛しくて、お互い頑張ったよなーってハイタッチしたい気分。

産まれたてホヤホヤ、パパの指をぎゅっとする雨音
















これまで9ヶ月間、言ってみりゃ一心同体の存在でありながらその姿すら確認できないと言う、一種架空の存在のようだったこの子が、産まれて離ればなれになる事で初めて面と向かい合う事ができて、自分の子だって実感するその感覚がとても不思議で、でも心地よくて、何か人間の営みってすごいじゃんとしみじみ思ったのでした。

もうすぐ誕生から9ヶ月、一体どんな子供になって、そして大人になるのか、このワクワク感を毎日分けてくれる小さな命に感謝です。



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